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おそらのうえで。

おそらのうえで。

*わがまま*



「オレじゃ役に立たない?」

そうじゃないの。

そういうわけじゃないんだ。

役に立たないだとか

そういうわけじゃなくって

ただ君に言えるようなことじゃ

ないんだもん。


*わがまま*


朝から楽しそうに先輩と一緒に歩く

君の後ろ姿を見た。


あたしには見せてくれない

楽しそうな笑顔。


先輩も楽しそうに

君の隣で笑ってる。



そんな一日の始まりだもん。

元気に笑えるはずもなくって

うつむいたまんまの一日。



「今日、機嫌よくないじゃん」


君があたしに声をかけてきたのは

帰りの下駄箱。


「なんかあった?」


にっこり笑って問い掛ける君の笑顔が

嬉しいようで辛くって

すぐ目線をそらしちゃう。


「なんでもない」


かわいくないね、あたし。

目線そらして、かわいくない言葉を口にする。


「なんでもないことないじゃん」


靴をはきかえて

君に背中をむけたあたしを

追いかけてきてくれる君に

期待しちゃう自分がキライ。


「オレでよかったら相談のるよ?なに?どうした?」


君が相談にのってくれる?

普通なら嬉しい言葉だけど

君は言えない。

こんなモヤモヤ。


「どうもしてないってばっっ」


朝の君の笑顔を思い出して

先輩との楽しそうな姿思い出して

ヤキモチやいてる自分にイライラ。

ついつい君にやつあたり。



ぽんっとあたしの肩にのせられた君の手を

おもいっきりはらいのけた。



払いのけた時のぱちんって音に

我に返って反省。

何も言わない君が不安になって

ちらりと振り返ると

みたことないつらそうな目で

君はあたしを見てた。


「ごめ・・・」


「オレじゃ役に立たない?」


謝ろうとしたあたしの言葉を遮る君の言葉。


「そりゃ・・・オレ何もしてやれねぇかもしれないけど
 話聞いてやることくらい出来るし・・・」


違うの。


「オレじゃ君の力になれない?」


違うんだ。


違うんだってば。


ねぇお願い

そんな辛そうな顔しないで?


「言えるわけないんだもん・・・」


あたしが悪いだけ。


「君が先輩と楽しそうに朝、登校してたの見て
 モヤモヤしてたなんて・・・」


勝手にイライラして

勝手に嫉妬して

ワガママなこと考えてた。


「君があたしじゃない人に笑顔向けてるのみて
 イライラしてたなんて・・・」


君を支えるのはあたしだけがいいとか

君の笑顔を独り占めしたいとか

君があたしだけの君だったらいいのにとか

勝手なことばっか考えてた。


「そんなこと言えるわけないじゃんっっ」


君の顔を見ること出来なくて

君の声を聞くのが怖くて

言うだけ言って走り出したあたしを

君はいとも簡単につかまえて

強く強く

抱き締めてくれたんだ。


「そんなこと言われて
 じっとなんかしてらんないし、オレ」


君の心臓の音が

背中から伝わってくる。


普通より早いのは

あたしを追いかけてきてくれたから?


「オレ、わがままな子ってキライなわけよ」


君がそんなこと言うから

あたし、嫌われちゃったんだって思って

君の腕

振り解こうって頑張ったのに

君は全然離してくんなくて

にっこり笑って言ったんだ。


「でも好きなヤツのワガママは大歓迎」


ねぇ

それはつまり

もしかして君は


「だからもっとワガママ言ってよ」


あたしのこと


「オレが全部受けとめるから」


こんなワガママなあたしのこと


「オレお前のこと
  すっげぇ好きなんだから」


好きでいてくれるの?







なかなかスキな人には
素直になれないです。

ってかね
きっと彼氏とかにならまだ
わがままが言えるかもしんない。
でも片想いなら
わがままなんか言える訳ない。


私、このパターンで
何度も失敗しましたから(笑)



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bbs

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